(判例紹介)電子掲示板で侮辱的投稿をした人物の身元開示が認められた事案
東京地方裁判所 令和3年(ワ)第29965号 発信者情報開示請求事件
判決日:令和4年3月18日
1 登場人物等
原告X:ゲーム制作者として活動する者
A:インターネット掲示板に以下の投稿をおこなった者
2 Aによってされた投稿とそれに対する裁判所の評価
記事1:原告Xのことを「ガイジ」であるとする投稿
→ Xを,社会通念上許される限度を超えて,侮辱するものであることは明らか
記事2:原告Xのことを「ガイジ」であるとする投稿
→ 記事1同様,Xを,社会通念上許される限度を超えて,侮辱するものであることは明らか
記事3:原告Xに対して「ゴミだわ」とする投稿
→ Xの人間としての尊厳を真っ向から否定する内容であり,原告を,社会通念上許される限度を超えて,侮辱するものであることは明らか
3 侮辱対象がXであるかという論点に対する裁判所の判断
(1)記事1・2について
投稿内容から、Vtuberである「●●」と本件ゲームやその制作者との関係に関する掲示板であり、本件スレッド1に関心を有する者が見れば、本件記事1及び本件記事2における「作者」とは,本件ゲームの制作者であるXを指すものと認められる。
(2)記事3について
「■■の作者」との記載があり,本件ゲームの制作者である原告を指すものと認められる。
4 結論
本件記事のいずれも、社会通念上許される限度を超える侮辱行為に該当し、原告の名誉感情を侵害することが明らかである。違法性阻却事由の存在をうかがわせるような事情は見当たらない。そのため、被告プロバイダは、Aの発信者情報(氏名・住所等)の開示を命じられた。
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。